BIMはどこまで普及するのか kubota

これまでのCADに変わりBIMという新しいソフトがどこまで広がるのかとても興味を持っています。

 

建築物を作る時にどのように作るのか、たくさんいるプロジェクト関係者に伝えるのが図面です。これまでは紙への出力をベースに考え、2次元でコンピューター上で図面を書いていくCADというソフトが使われていました。autodeskautocadやフリーソフトのJw-CADと言ったところが有名です。あくまで手で書いていた図面をコンピューターでかくという側面が強く、修正などは手早くできるようにはなりましたが、3次元で作られるものを2次元で表現することには変わりなく、3次元で成り立つかどうか、は人が判断していくものでした。

BIM(autodesk revit等)は3次元でコンピューター内でパーツを組み合わせて作っていくタイプのソフトで3次元で成り立つかどうか、施工時にはどのように段階的に組み上げていくかのシミュレーションができるようになり、現場に入る前にかなり具体的な想定ができるようになってきます。

材料の素材情報を持たせることもできるので温熱環境のシミュレーションや、これまで課題であった拾いがほぼ自動化できることも合わせて見積もりが正確に出せるようになってきます。

最近ではautodeskのrevitで作ったデータで4号建築物の確認申請を通すこともできるようになったようです

※4号建築物とは木造2階建てで延べ面積が500m²以下の建物で、確認申請の際に構造計算が要求されないもののことです。建築基準法第6条に規定されています。

他にもautodeskがいろいろと利用方法をまとめてくれています。BIMとは?そのメリットを理解できる7つのストーリー

皆が使いこなせればとても便利なソフトではあるのですが、どのくらいの人がこれを自由に使いこなせ、もしくは作られたモデルの情報を読みこなすことができるのか、そしてそのデータが何年先まで参照されうる形式になっているのか。これは今後の建設業のあり方にも影響してくる話だと思っています。また作り込もうと思えばいくらでも作りこめてしまうため、あまり作りこみすぎるとデータ量が多くなりすぎてコンピューターがついてくるかどうか、また人間かどこまで情報を読み取れるかどうか、と言った問題も内包してきます。

ある程度使われる要素が限定的になってくると思いますが、それが明確化された後でも、使いこなすにはそれなりのITリテラシーが必要になってくると思うので、皆が使うようになることを前提とするのか、大手ゼネコン等人材の数質ともに余裕のある組織だけが局所的に使うものになってくるのか(この人たちが100%使うようになるのはまちがいないでしょう。それでも利用される用途はどこまでになるのかは未知数です。)、でその周辺環境の我々のようなプレイヤーのとるスタンスは大きく変わってきます。みんなが使うようになるとしてもその浸透のスケジュール感を間違えると自分たちの会社が大惨事に陥ります。まだどちらに進んでも良いように考えてはいますが常に注目している領域です。

ロードサイドのチェーン店のように同じものを大量に作る場合にはとても威力を発揮すると思いますが、一品生産のビル等はinitialで投入される労力に比べて費用対効果は悪くなってしまうのかもしれません。FM領域の利用で施主側に多大なメリットがない限りはデファクトスタンダードにはなかなかならないのかな、と感じています。建てる側の自主的な導入だけでは新たな知識の習得のモチベーションの維持が難しいのではないかと思うためです。