コンクリートの賃貸住宅は空き家になってないらしい。 kubota

ちょっと前になるのですが、HEAD研究会が主催しているBELSに関する講座「BELSセミナー第二回:不動産マーケットはBELSを受け入れるのか」に行ってきました。

 

これまで日本での不動産は場所、面積、築年数、駅からの距離、構造(RC,鉄骨,木造)くらいのパラメーターで価値を判断してきており、建物の評価は建設時にかかったコストが考慮されるくらいで、ほとんどされてきてなかったに等しいと思うのですが、そこに基準を設けて価値を誰でもわかるように可視化しましょう、という試みがBELSです。どういう風に判断するか、というのは価値観は無数にあり難しいのですが、少しずつこういう動きがでてきたのは素晴らしいと思います。建物の価値がその出来によって異ならないというのは、その生産に関わる人たちの能力の差異についても価値がつけられていないとのことなので、頑張っても報われない状況になっているということです。働く個人個人も頑張る方向性がわからなくなってしまいます。

 

SNS禁止とのことだったので主な内容の詳細についてはあまり触れないでおきますが、面白いなと思ったことがSUUMO編集長の池本さんの発表の中にありました。メディアでも騒がれている通り、日本では使われていない建物が余ってきています。ただ、鉄筋コンクリート(RC)造の賃貸住宅は空き家率が上昇しておらず、上昇しているのは鉄骨や木造のものだけのようです。その理由は遮音性がよいため快適だから、ということのようです。

 

賃貸住宅を借りる人が選ぶ基準は、一番が遮音性、2番目が断熱性能のようですね。自分自身も東京に出てきて最初に住んだのが鉄骨のアパートで遮音性が酷かったので、大学院に入った際に引っ越したのは下北沢の古いRCのマンションでした。その後意識したことはなかったですが、思い返せばずっとRCの建物に住んでます。建主側は初期費用、その後入ってくるであろう賃料、設計施工側はかっこいい建物をどれだけちゃんと作るか、というところだと思うのでおそらく感覚にズレがある。こういう情報が建築業界にちゃんと伝われば良いのにな。

 

人によって何が大切は異なってくるものだとは思いますが、若い頃に複数の建物に住んでどういう要素が自分にとって大切か理解しておかないといざ購入したりするときになかなか決められず大変かもしれない。建物だけじゃなくどういう場所に住むかも。建物に関するだけじゃなくて他の部分でもそうか。とにかく若い頃は経験を積みまくることが本当に大切だし、大人はそれを応援してあげるスタンスを継続することが大切ですね。

 

僕の好みは、低層RCマンション、家を出てすぐ飲食店や買い物するところがたくさんある場所、です。できれば高断熱だと嬉しいです。今まで住んできたところは断熱性能がとても悪く、夏暑く冬寒い、真冬の窓際は冷気がすごいところばかりだったのですが、高断熱の建物を一度体験させてもらって快適すぎたので今は結構優先順位が高いです。賃貸で高断熱って賃料で負けてしまうのでなかなかオーナーは頑張らないのかなぁ。ここは変わるといいなぁと思っている部分です。

 

こういう自分の好みが明確になってくると選ぶ時間が本当に短縮されます。柔軟性はなくなっているということは言えるかもしれないですが(笑)