人の一生を超えて続く会社を作りたい。 kubota

これまでの人生では自分が起業をするとは全く思っていなかったので、現在も自分がやっていることに自分で戸惑いを感じる部分が多々あるのですが、投資を受けたりする際に今後社長自身はどうしたいか、と聞かれるので、今後どうしていくかを考える機会が増えました。

 

多くの起業家は連続起業家だったりエンジェル投資家になりたいと思うようなのですが、私は自分の持っている能力が立ち上げ期に最も発揮されると思っていないこともあり(それに大変すぎる)、何度も起業する気はなく、できるだけ時間をかけて今の会社を進化させていければ良いと思っています。

 

会社というのは、お金という概念と並んで人類が作り上げた概念の中で最高レベルに高尚で革命的なものだと思っています。リスクを分散させる仕組みだとかよく言われ、その通りなのですが、私がすごいと思っている部分はそこではなく、会社は人が入れ替わっても顧客に継続してサービスを提供して続いていく、個人個人の命とは別の命を持ったものであることなんですよね。そこで働いていた人が過去に試行錯誤してきた結果生まれた暗黙知が現在働いている人に伝わって続いていく。明確な目的がなくとも続いていくだけですごいことではあるのだけど、加えて、人が入れ替わっても会社として保持し続いていく理念だったり存在意義みたいなものがあれば最高だと思います。それがあれば当初のサービスが想定していた顧客解決の課題が社会環境の変化により陳腐化したとしても新たな一歩を踏み出し続けることが可能になるから。

 

幸いなことに取り組んでいる領域は時間が経ってもなくなりはしないそうな領域で賞味期限はとても長そうなので、可能性はある。理念を研ぎ澄まして、経営を自分ごととして考えられる優秀な人材を集め、できるだけ長期にわたって存在意義がある会社を少しずつ作っていきたいと思います。どれだけ熟成させられるかは創業者の腕の見せ所だと思います。