物や情報があふれた時代にどうやって使うものを選ぶのか kubota

インターネット誕生以前は自分が知っている店や人、直接営業してくる人が提示する選択肢以外から物を選ぶことができませんでした。

現在はインターネットがあり、それなりの時間をかけてリサーチをすれば、作り手が発信をしているものやサービスの情報はかなりの量手に入ることになりました。もう多すぎてしまい、何が良いものなのか、判断することが非常に難しくなっています。それをアシストすることが現在のインターネットにおいては一つのテーマなのだと思います。

 

アプローチとしては二つあり、いろいろな指標で比較等をしやすくするタイプとおすすめを提示するもの(口コミ等を含む)になってくるかと思います。

数値や価格等で比較しやすいものについては前者で良いと思いますし、好みが分かれるものや感覚的に選択されるものについては後者なのでしょう。前者はミスミ等のプロ向けECサイトなどでその姿勢を追求している様子が見られますし、後者は食べログやrettyと言ったレストラン選びのサイトやファッション系のサイトが考えながら追求しているように思います。

 

僕らは前者の要素を追求するスタンスでサービスを立ち上げて、そのスタンスに合う領域の建材だけを取り上げてサービスを作っていったのですが、建築は法規や強度、断熱性能、値段と言った数値で見える部分以外に、見た目、色、テクスチャーと言った感覚的な要素も多分に入ってきます。その領域を避けていくのはとても難しいため、そのバランス感がとても難しいなと感じています。建物を作るのは本当に高度な選択の上に成り立っていると改めて思わされます。

そして、人毎に納得をして選びたいもの、とりあえず必要最低限のレベルをクリアしていけば良いものがあったり多様性に溢れていること。ここに関してはユーザーインタビューを繰り返して主な使われ方を想定してある程度決め打っていくしかないのでしょう。

 

そこまで丁寧にできても、とにかく全てのことには体験しないとわからないという問題があります。少額のものであればとりあえず試してみれば良いのですが、金額が大きくなるとそれもなかなか難しくなってきます。様々な建材を自社でいろいろと実験して試しに商品を使える余裕のある会社がさらに強くなっていくのは当然だと思います。建物は最初に建ててしまって終わりではなく、そのあとどれだけうまく使ってもらえているか、問題が起こらなかったかが重要であるので、過去のプロジェクト情報を的確に将来のプロジェクトに生かすことができる体制を持っていらっしゃる会社もどんどん強くなっていくと思います。かなり数は少ないと思うのですが大きい会社がそれを全部できているというわけでもなく、時間が経つと業界分布図はかなり変わりそうな気はしています。そのような会社はぜひインタビューさせていただいて存在を広められると良いなと思っています。